アナログとデジタル。

アナログとデジタル。

ある大学の講義で、教授が「皆さんもご存知の通り、そろばんはデジタルですが」と言ったところ、どよめきが起きた、
という記事を拝見しました。

イメージ的に「古いものがデジタル」「電気製品がデジタル」と感じている子も多いのかも知れませんが、
本来、
デジタルは、「流動的なものを一定数値で区切る正確性のあるもの」
アナログは、「流動的なものをそのまま連続的に表現することができる曖昧さを持ったもの」です。

アナログ時計は、短針と長針が絶えず動き、流動的な時間をそのまま連続的に表現しています。
一方で、そろばんは、一定数値で区切る正確性を持っています。

そして、
ふと、
人間も同じだよなあと思いました。

例えば「女」「男」の性別も、その言葉に含まれる概念まで考えると
きっとグラデーションの様に流動的で、
それをアナログのごとく「女」、「男」と正確に二つに分けると
苦しくなることがあるのかなあと思うのです。

私は女性ですが、
電車や車が好きで、宇宙や科学にワクワクします。

一方で、家事や、小さなことをチマチマと丁寧に行うことや、お茶を淹れることも好きです。
脳の構造は男性に多いとされる「空間把握能力が高い」「論理的思考」という特徴を持ちます。

また、娘はモザイク型ダウン症(健常細胞とダウン症の細胞が体内に半分ずつある)で、
「遺伝子疾患者」であり、一般的に「健常者」と区別されます。

しかし、
早期療育に励んだこともあり、
3歳時検診まで「身体的に健康で、知能・心理面でも特に遅れを認めない=定型発達=健常」との
結果を受けており、その『健常』という言葉を見ては、なんだかモヤモヤしたものでした。

私たちが一人一人異なり、同じ人間がいないのは、
一つの生物としての、生存戦略です。

全く同じ遺伝子配列を持つ一卵性の双子でも、環境やタイミングなどによって働く遺伝子が異なるので
まったく同じ人間にはなりません。

地球環境の変化などで、どんな状況になっても、一度に絶滅しないように、
幾らかは生き残るように、
いろんなバリエーションが存在するように作られているのではないか、
それが生存戦略なのではないか、と、言われています。

その遺伝子のバリエーションが個性でもあり
その遺伝子をもとにつくられた60兆個の細胞が連携して私たちの身体を構成し、
体内ではそれらの細胞たちが、絶えず流動的に動き続け、

環境や時間、意識や感情などによって、刻々と変化していく。
そして、その「命」は、人類がうまれてから、途切れることなく繋がって
私たちにたどり着いている。

こんな「アナログ」な、流動的な人間というものを、
表面的にデジタルに分類し、時にその特徴に「優劣までつける」のは、
少し暴力的なところがあるなあと

苦しくなるところもあるなあと
思うのです。

不登校を成功させるカギは、「アナログな捉え方ができるかどうか」にあると
思うのです。

どの子にも、自分を誇りに思ってほしいし、
自信を持って生きてほしいです。

どこなら輝けるのか、何があっているのか、何をしたいのか、
「社会でどう生きるか?」を一緒に探していきたいです。

そのために、全力でサポートします!

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