8:2の法則

生徒から、よく「これが解けません」とLINEが来ます。

ほとんどのものは、その日のうちに「これはこうだよ、こう解くと簡単だよ。ここ復習してね」と
返すのですが、
『それ、今は解かなくていいよ』
と返すこともあります。

中には、「えっ、植木さんも分からないんじゃないのww」と思う生徒も居るようですが(笑)
これには理由がありまして。

ビジネスの世界では、8:2の法則と言われるものがあります。
『全体の8割を終わらせるには、全体の2割の時間しかかからない。
残りの2割をつめて完璧にするには、全体の8割の時間がかかる。』

つまり、
「80点を取るなら、全体の2割の時間で済む」ということです。

ゼロからスタートする生徒も少なくない不登校の生徒たち、
実は完璧主義な子も多いのです。

1点でも多く、というのは理想ですが、
まずは80点でも良いのではと思うのです。

難しい問題は、後回しでもいい。
まずは、確実に取れる基礎問題を、確実に取っていく。

人間、本来は学ぶことが大好きです。
80点が取れるころになると、
どの教科も楽しくなってきて
勝手に上を目指して取り組み始めます。

そしたら、どんな問題でも、一緒に「うーん・・むずかしいねえ(笑)」と笑いながら
取り組みます。

先日、生徒が5教科500点中497点を取ってきました。

お友達と競うのが楽しいそうで、
「理科が100点取れなかった」と楽しそうに話してくれました。

学ぶことの楽しさを体感し、
自分で学べるなら、もう植木のお仕事は終わりです(笑)

「やったね!頑張ったね!そろそろ、イエローシードは卒業だね♪」
3か月ぶり、2度目の、引退勧告です(笑)

今は、最後の仕上げに、
高校でなかなか楽しめないけれど、ホントはめっちゃ楽しい
古典の「源氏物語」を読んでいます。

どうしても「文法」に目がいってしまうと、純粋に楽しめず
結果、内容も頭に残らなかったりするんですよね・・
とても面白いのですがね。

1000年前の物語に共感し、夢中になるって、なんだか素敵なことだと思うのです。
自分の弱さや欲を源氏物語に見て、
人間って変わらないんだなと感想を述べる生徒も多いです。

私から見るとどの生徒も、可能性に満ち溢れていて
未来がとても明るく見えて、
凛として『じゃあ、自分はこれからどう生きるか』を、考えてくれればと思っています。

自分の声を聞いて、自分で選択して、
自分で勉強を楽しめるようになったら
どんな夢にもチャレンジできるし、幸せまで歩いていける。

私は、そこまで伴走したい。
そこまで来たら、今度は一人で走る練習です(笑)
彼は、そのステージに居ます。

そんな彼も、
1年半前には
儘ならない現実に悲嘆し、自暴自棄になった時期がありました。

その後も、
「全く勉強しない。どうしたらいいのでしょうか。このままダメになってしまうのでは?」と
お母様から度々ご相談を受けました。

「今は、待ちましょう」そう、伝え続けました。
私たちにできることは、環境を整え、待つこと。
きっとその子のタイミングで、学ぶことを楽しみ始める。

昔、指導していた小学生の女子生徒に
「植木さん、いろいろおかしい」と言われました。

「カテキョなのに、勉強しなさいって言わないの?」
「カテキョなのに、100点取れって言わないの?」

「言ったらやるの?(笑)」と聞くと、
「・・やらないけど(笑)」とのこと、

「うん、たぶん植木もやらない(笑)」と言って
一緒に笑っていました。

それでも、大丈夫、
やりたいと思ったら、できるようになるのだよ。
そのうち100点がとりたくなったら、ゲームのようにやりこんだらいい(笑)

その子が高校2年生になる時、
私は大学院生から社会人になり、
大学受験の伴走まではできなかったのですが、

夢を叶えて今では歯医者さんをしています。

2:8の法則。
80点を取るには、全体の2割の時間で良いのです。
まずは、そこから(笑)

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