家庭教師や予備校講師で生計を立てていた学生時代、
教え子で成績が上がらなかった子は、いませんでした。
そう言うと、
「そういう子たちもいるのでしょうが、うちの子はそういうタイプではないのです」
「そんな魔法の様な事が、あるのでしょうかね・・・(遠い目)」
なんていう声を頂くことがあります。
小さい頃は、ご機嫌を取ってやらせるは簡単だったのに、今では口もきいてくれない・・
素直に勉強するなんて、とてもとても想像できない・・
そうですよね。
「勉強しなさい!」「はいっ!喜んで!!」なんて会話は、想像できないですよね。
でも、自分の教え子たちは、みな勉強するようになっていきました。
なぜでしょうか?
当時の自分は、生徒と勉強を通して向き合うのが ただただ楽しく、
『生徒は皆成績が上がった』ことが特別なことだとは、
あまり気にも留めなかったのですが、
年齢と経験を重ね、社会に出て、娘を持つ母となり、
自分のしてきたことが、やっと体系立ててわかるようになってきました。
ポイントは5つ!
1.なんで勉強する必要があるのか、一人一人の理由を、心の底から理解した
2.親から「勉強しなさい!」を言われない安心感
3.勉強が嫌いなのではなく、勉強にまつわる「嫌な感じ」が嫌だったことに気づいた
そして、
割と簡単にできるじゃん♪
もっと自由に勉強していいんだ!ちょっと楽しいかも。
勉強ってコスパいいな。
ゲームより簡単かも。
と、気楽に勉強に取り組めるようになっていったのです。
生徒にとって成績は、大人でいう「お金」と同じで、
自己評価に少なからず影響するものの様で
成績が上がるのに比例して、自己信頼も高まっている様でした。
成績は思ったよりあっさりと すぐに上がるのです。
30番くらいずつ上がる子が多かったです。
でも、ここでもう一つ大事なことが・・
それ、継続するのは 地味に大変ですよ。
時に 儘ならない感情に向き合い、
「やる気でないよー(泣)」の自分をあやし
「今日は、もういいかな?」の自分を励まし
止まりそうな足を 目標を見据えて もう一歩前に出す。
大人でも、大変な時 ありませんか?
慣れるまで、孤独な戦いです。
だから・・
4.第三者が関与して、ペースメイクをする
のです。
教え子に高校生のバスケ部の男の子が居ました。
毎週家庭教師に行っていたのですが、
部活の試合で遠征に行くことになり、次の授業はお休みで、と、決まりかけた時、
「先生に来ると、とりあえず 一週間、自信とやる気がもつ。一週間以上 間が空くとキツイ」
と、言っていました。
私はガソリンスタンドか(笑)と、
思ったのですが、
別の教え子の 高校生の男の子からも
家庭教師当日に
「今日は熱が出て、あまり勉強できないかもしれませんが、とりあえず来てください」
と連絡があったことがあります。
その子は、「先生が来ると、なんか治りそうだから」
とのことでした。
そんな生徒たちを見て、
ああ、この子たちは、勉強したいんだなあと
毎日たたかっているんだなあと
実感したものでした。
奇しくも、二人とも「植木さんが東大に行けるなら、俺もいける」と
受験に臨んでいくわけなんですけれども(笑)
そして、最後のポイントは
5.短期集中、目標を明確にすること
マラソンと同じで、
自分のペースで ペースメーカーと 気楽に談笑しながら
なるべく気持ちよく走りつつ
それでも、明確なゴールが決まっているから頑張れる。
その期間は、短いほどちゃんと意識できるわけで、
1分の大切さが身に染みるのです。
私は当時、家庭教師を通して、生徒に
教える(楽しむ)/ ペースメイクする / 一緒に将来を考えて信じる
ことをしていたから
生徒は成績が上がったのだなあと
今、思います。
生徒が笑っているのを確認して、
「大丈夫、できる」と思えているのを確認して
帰るようにしていました。
最初は、よくお母さんに
なんで家庭教師中にこんなに笑っているの?大丈夫?
と思われましたが、
そのうち
「今日はあまり笑っていないけど、大丈夫かしら」になるのです。
大丈夫、勉強は誰でもできるようになる☆