先日会った知人に、
『東大の大学院卒で、20年間 生化学系の研究者をしていて、
サプリメント開発という大好きな仕事も兼務する管理職で
昨年、2段階昇格(飛び級みたいなもの)したばかりなのに、
なぜ今、オンライン家庭教師をするのですか?』
と、すごく直球な質問を受けました。
自分の中では、一つ一つ納得して進んでいるので、
「おお、そこが気になるのか~」と、全く疑問を持たなかったのですが、
確かに変わった経歴ですよね。
端的に言えば、
『ダウン症というギフトを持った娘が、小学校に入学する。
共働きでも保育園で一緒に育ててもらったけれど、小学校はそういう場所ではない。
学童も、どこまで体力が持つか、ついていけるかわからない。
今まで第一線で仕事をしてこられたことに感謝し、自分の強みを活かしながら
家で出来る仕事をしようと思ったから』
です。
本当に娘は、私にとってギフトで、
『障がい児教育は、教育の原点』と言われるように
人が学習していくとはどういうことか、毎日学ばせてもらっています。
もともと「教えること」は、大好きだったのですが、
『数字の概念がない娘に、数字を教えた経験』ほど
難しく、且つ、楽しいことは無かったです(笑)。
そして、今までの教え子たちにもそう思ってきましたが、
改めて
『勉強は、絶対、誰でもできる!!!』
と、確信しました。
娘の特性を通し、不登校の親御さんともお会いする機会も増え、
苦しんでいらっしゃる姿を見てきました。
少しでも、力になれるのではないかと思うことがあり、
この仕事にしようと思ったのでした。
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もともと研究が好きで、
長い間、自分の人生の優先順位は「研究」「仕事」に在りました。
大学院生の頃には、生活費と学費の工面のため、週末に家庭教師(9人)をしていました。
家庭教師の時間は、
人に恵まれたのか、本当に本当に楽しくて、私にとっては、『癒しの時間』でした。
そうやって生徒やお母さんたちから育ててもらって
(文字通りです。知らない間にお母さんたちのネットワークができていて、
交代で夕飯を出してくれたり(気づいたら「植木さん用のお箸」が複数の家庭に常備されている有様でした)
お野菜や手料理をお土産にいただいたり、本当に有難かったです)
無事に卒業することができ、研究職に就くことができました。
お仕事が大好きで、婚期を逃し、このまま一生独身でいるんだろうなあ♪と
思っていたのですが、うっかり(笑)結婚することになりました。
嫁にしてくれたパパには、心から感謝しています。
そして、結婚の翌年、女の子を授かりました。
彼女は、大きなギフトを持って生まれてきてくれました。
ダウン症です。
初めて顔を見た時に、ダウン症であることがわかりました。
私自身、自己肯定感が低くて苦しんだ時期が長かったので、
「娘が自分のせいでアダルトチルドレンになったらどうしよう」と
そればかり心配していたので、
正直、ほっとしました。
ダウン症は、「今幸せか?」という質問にYesと答える人が、90%超。
私は、娘に幸せであってほしい。
ならば、これはラッキーなのではないか。
早期教育でダウン症の発達は促進されることがわかっている。
ならば、出来ることを、すぐ始めよう。
帝王切開の手術台の上で、そんなことを考えていました。